節のある天然の木。
光をやわらかく反射する本物の土。
重量感のある本物の石。
メッキの施されていない飾り気のない鉄。

エコロジーだから?健康的だから?
理屈抜きで良い素材は手作り感あふれる自然素材です。常に目にするものだから、毎日肌に触れるものだから、五感に響く素材を楽しみたい。人が美しく年を重ねていくように、家も美しく成熟していく。家族の物語が家に刻まれるような家づくりを、再び身近なものにしていこう。

人は自然のエネルギーによって癒されます。今日という日を見つめなおし、一日一日に感謝して生きる。火の前で、人は謙虚に、そして饒舌になれるようです。

人間はおそらく、縄文人やそれ以前の頃から、薪を集め火を焚いて暖を取ったと考えられます。
今では直接炎をあげて燃えている薪火を見ることはすっかり少なくなりましたが、不思議と燃える炎を見ていると、心がなごみます。これはきっと大昔に、火を焚いていたことが太古の記憶として人間の遺伝子の中に残っているのではないでしょうか。

大きく張り出た深い軒先。
風を気持ちよく取り入れるおしゃれな窓。
もともと、そこに居座っていた大きな樹木。

プランニングは机の上で考えられるものではありません。
現地に何回も足を運びます。ときには、あえて大雨の日や、強風の日に行くこともあります。それは例えば地形による風の流れを確認する作業だったり、前面道路の交通量を確認する作業だったり・・・。
そして、何よりも、新しい建物を夢想する一瞬の閃きが訪れるのを僕自身が待っているからでもあります。