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薪焼きレストラン bb9(ベベック)

薪焼きレストラン bb9(ベベック)

神戸元町のレストランを全面改装しました。

NUDAからbb9へ

店舗の全面改装に伴い、名前をNUDA(ヌーダ)からbb9(ベベック)へ変更し、リニューアルオープンしました。既に「NUDA」の時から評価は高く、日本各地から、わざわざ神戸まで訪れるという程、食道楽の間では、有名なお店でした。しかし、炭ではなく、薪そのものを熱源にしている「熾き火焼き」という珍しい調理方法は、排煙という難しい問題がありました。

排煙設備の改装から、全面改装に

「厨房からの余分な煙は、客室へ入らないように。」これが、全面改装に至るきっかけでした。確かに、坂井剛シェフが創る繊細な料理を、凝縮した素材の味わいと香りを十二分に味わうために、それはとても重要な課題でした。しかし、それと同時に、お客様をもてなす空間として、ホールも改装したいというオーナーの西川正一(ソムリエ)氏の強い思いもあり、全面改装することになりました。


半地下のようなイメージへ

プランニング

道路から、店内にかけて特別な高低差はなかったものの、ソムリエブースにはシンクが必要で、配管スペースを確保するため、上げ床にする必要がありました。既に、厨房/トイレは、店内と20cm程の段差があったため、テーブルを並べる場所だけが、低く感じられます。(本当はそれ以外が高いのですが・・・)そのことを逆手にとって、むしろ地面を掘り下げて作ったような、洞窟のようなイメージにしてはどうだろう?それは、酒井シェフの創るストイックな料理のイメージにも重なりました。

3人のプロ達

プランニングには、今回の工事の中心人物である、庭師松下の松下浩崇氏も加わり、彼の本職である植栽やアプローチだけでなく、内装のイメージも共有しました。また、工事が始まってからも、ディテールや仕上げに、気を配ってくれました。それから、難易度の高い施工実績がある岡崎建設株式会社の笹田監督にも、現場での収まりや職人の手配など、粘り強く施工して頂きました。

ソムリエカウンターの作成

プランニング

今回、設計だけでなく、ソムリエカウンターも佐藤が制作しています。当初、壁の延長か、もしくは左官壁で検討していました。しかし、そこが、それ以外の壁と「違い」をつける場所であること。お客様が手で触れてもぬくもりと優しさを感じる素材であること。あるいは、松下氏の兵糧攻めのような誘導によるものなのか、気がついたら素材は「木」になっていました。

桜の木をひたすら曲げて

プランニング

長細いセイロを作り、その中でアールに削った桜の木30本を蒸しました。半日ほど蒸し続け、取り出してから制作するカウンターと同じ形状の下地に貼り付け乾燥させました。乾燥後外し、今度はカウンター自体の下地に取り付けていきました。上部の2本と天板は、幅広の材をアールに木取りして、作りました。意図したわけではありませんが、「ワインの樽に(製法も含めて)共通点がある」と、ソムリエの西川氏に喜んで頂きました。


施工チーム

設計 う株式会社ハンドワークス:手弐職家 佐藤 俊秀/庭師松下:松下浩崇
施工 岡崎建設株式会社、庭師松下、うたおか建築
左官工事 左官株式会社:久住有生
アイアン工事/焼き台作成 チプラスタジオ:佐々谷良